水にも、空気にも、海にも、大地にも森林の力が欠かせません。太古の樹木から生まれた石油を使う現代生活も森林の力の賜物です。
人は“かつて”ではなく、“今なお”森林とともに生きる「森の人」です。
しかし現代に生きる私たちの森に対する意識はどうでしょうか。
私たちが無意識のうちに享受している豊かな森林資源。その一方で、森が置かれた残酷なまでの現実を理解している人がどのくらいいるでしょうか。
more treesは、そんな私たちの意識を呼び起こす存在としてオランウータンに注目しています。インドネシア語で「森の人」を意味し、森の中で独自の知恵と家族とともに生きる彼らは現代の「森の人」の象徴であると言えるでしょう。
しかし今、彼らの森は、次々と破壊され失われています。目を覆いたくなるほどの惨状です。彼らの森を救い、未来を作ることは「森の人」たる私たちの意識を蘇らせることに他なりません。
BE FOREST PEOPLE.
「森の人」オランウータンを見つめ、私たち人類が再び森林とともに生きる「森の人」になるためのプロジェクトが、今、始まります。

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インドネシア・カリマンタン島。
豊かな自然に恵まれ、様々な生命を育む熱帯雨林は、絶滅の危機に瀕した、森の人・オランウータンの住み処でもあります。熱帯雨林の伐採により生息地を追われた彼らは、開発から逃れ、保護区に身を寄せていました。しかし度重なる森林火災により再びその住み処を奪われています。貴重な森をよみがえらせ、オランウータンの命を守ること。それがmore treesが掲げる新たなミッションです。


このプロジェクトはみなさまからのご寄付及びご支援により運営されています。
オランウータンの森を再生させるため、みなさまのご支援をお願いいたします。

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火災による森林減少

アジア最大規模の熱帯雨林が広がるインドネシア。その森林面積は世界第8位の約9,400万ヘクタール(※)、地球上に残存する熱帯雨林の約10%を占めます。地球上で最も生物多様性の豊かな国ともいわれ、哺乳類の12%、爬虫類・両生類の7.3%、鳥類の17%がこの地に生息しています。
しかし、過去40年に渡る違法な森林伐採や火災などによって、熱帯雨林は急激に荒廃。特に2015年春にインドネシア各地で発生した森林火災は、過去20年間で最悪の規模となり、数ヶ月にも渡り延焼を続けました。この火災により、最終的には260万ヘクタール、東京都12個分にも及ぶ熱帯雨林が消失してしまいました。

火災の主な原因としては、パームオイルやパルプ生産のための開墾を目的とした火入れ(野焼き)が指摘されており、経済損失は221兆ルピア(161億USドル)と2004年アチェ州(スマトラ沖地震)津波被害の2倍超に及んでいます。

※ヘクタール(ha)…面積の単位。1ヘクタールは、100メートル × 100メートル = 10,000平方メートル

火災の弊害

インドネシアでの野焼きによる開墾は違法であるにもかかわらず、正規の手法に比べてコストがかからないことから後を絶たず、大規模な森林火災につながっています。またインドネシアには、樹木等が分解されずに地表に積み重なることで生成される広大な泥炭地が広がっており、多くの炭素を含んだ泥炭の分解が火災により進むことで大量の二酸化炭素(CO2)を放出することも大きな問題となっています。泥炭地で起こる火災は、地表では炎が消えたように見えても地下でくすぶり続け、完全に消火するのが難しいため、繰り返し火災が発生してしまいます。こうした森林火災の発生は、同時に様々な弊害をもたらしています。特に2015年に発生した火災による被害は大きく、煙害(ヘイズ)、CO2の排出量の増加、生物多様性への悪影響などが報告されています。

煙害(ヘイズ)

煙害(ヘイズ)

火災により引き起こされた「煙害(ヘイズ)」の影響は4,300万人に及んでいるとも言われ、呼吸器疾患等を引き起こす原因にもなっています。また隣国への被害も広がり、大気汚染指数が悪化したことで学校の休校や航空機のキャンセルも相次ぎました。

CO2の排出

CO2の排出

2015年9月と10月の1日当たりCO2排出量は通常の10倍だったとも言われており、1か月半(44日間)だけでもその排出量は米国の年間CO2排出量を超え、史上最悪の規模であると指摘されています。これは森林のみならず、消火が困難な乾燥した泥炭地が長期間にわたって広大な面積で燃えたことがその一因と言われています。

生物多様性へのダメージ

生物多様性へのダメージ

インドネシアでも特に生物多様性の豊かな低地林は、火災により大きな危機にさらされ、オランウータンなどの絶滅危惧種を含む多くの野生動物たちが生息地を追われてしまいました。

私たちの生活と熱帯雨林

日本は戦後の経済成長の過程で、諸外国から大量の木材を輸入してきました。インドネシアもまたその輸入元として大きな割合を占めており、日本の発展はこうした現地の森林破壊の上に成り立っていたと言っても過言ではありません。
またパームオイルやパルプ生産のための野焼きによる延焼火災や単一樹種の植林により、生態系に悪影響が及ぶことも懸念されています。
インドネシアは世界最大のパームオイル生産国であり、日本を始めとする世界各国へ輸出しています。パームオイルはアブラヤシという植物から採れる油で、その名前には馴染みが薄いかもしれませんが、実はマーガリン、即席麺やスナック菓子などの揚げ油、調理用油、洗剤、塗料、インク、化粧油など、生活に身近な製品の原料として使われています。原材料名には植物油と表示されていることが多く、これらの製品は我々の日常生活にも欠かせないものです。

紙の原料となるパルプ生産についても、生産物は違えどパームオイルと同様の問題が起きています。紙の需要は年々減少しているにもかかわらず、日本で消費されるコピー用紙の約3割はインドネシア産と言われ、その輸入量は確実に増加しており、見過ごすことはできません。

一見、遠い国の出来事に思える熱帯雨林で繰り返し発生する火災や森林減少に伴う野生生物への被害も、我々日本人にとって決して無関係な話ではなく、すぐ目の前に迫る深刻な問題なのです。

私たちの生活と熱帯雨林私たちの生活と熱帯雨林私たちの生活と熱帯雨林
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アジア最大の類人猿、オランウータン。その名前はインドネシア語で「森の人」を意味し、世界でもカリマンタン島(別名 ボルネオ島)とスマトラ島にしか生息していない絶滅危惧種です。
生息数はボルネオオランウータンが45,000~69,000頭、スマトラオランウータンは7,300頭ほどと推定されています。
オランウータンは果実食を中心とした雑食で、糞としてその種を森に散布するため、多様性豊かな熱帯雨林を育むには欠かせない存在です。オランウータンが健やかに生きることのできる森、それは多様な動植物が息づく豊かな環境である証なのです。

奪われたオランウータンの森

奪われたオランウータンの森

熱帯雨林の開発や森林火災による生息地の破壊、ペットや展示用としての乱獲によってオランウータンの生息数は減少の一途をたどっています。カリマンタン島では過去60年の間に個体数が50%に、スマトラ島では過去75年の間に80%が減少しました。
そのため現地では、インドネシア政府をはじめ、国際NPOや地域の保護団体がオランウータンの保護と生息地の保全に取組んでいます。

サンボジャ地区 火災のダメージ

サンボジャ地区 火災のダメージ

オランウータンの保護団体の一つに、今回のプロジェクトの現地パートナーであるBOS財団(Borneo Orangutan Survival Foundation)があります。2015年の森林火災では幸いBOS財団のオランウータンや職員に被害はありませんでしたが、財団が所有する3か所のリハビリセンターのうち、東カリマンタン州・サンボジャ地区(Samboja lestari)の土地の一部が焼失してしまいました。その面積は266ヘクタール。東京ドームに換算すると57個分に相当します。広大なオランウータンの生息地が失われてしまったのです。
こうした現状を受け、サンボジャ地区では、生物多様性豊かな熱帯雨林を再生し、適切に管理・運営することによって、未来へと命をつなげる「持続可能な森づくり」が求められています。

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2015年にインドネシアで発生した大森林火災によって、BOS財団が運営するオランウータンのリハビリ用地1,800ヘクタールのうち、266ヘクタールが焼失してしまいました。サンボジャ地区の失われた森をよみがえらせること。オランウータンが安心して住める森を取り戻すこと。more treesはオランウータンの森の再生をめざし、BOS財団とともに協働事業をスタートします。

3 GOALS
1

火災跡地への植林

火災跡地への植林

266ヘクタールにおよぶ火災跡地への植林にチャレンジします。植樹するのは、フタバガキ科を中心とした在来種と、オランウータンのエサとなるドリアンやランブータンなどの果樹。オランウータンのリハビリにも適した、多様な動植物が生きる豊かな森の再生を目指します。

2

火災発生に備えるインフラの整備

火災発生に備えるインフラの整備

繰り返し発生する森林火災に備え、貯水池や防火帯(※)の設置といったインフラ整備を行います。BOS財団の専門家や地域住民とともに火災による被害を最小限に抑え、持続可能な森林管理を推進します。
※防火帯…森林火災の延焼を防ぐことを目的として、草木を伐採した帯状の地帯。

3

現地ツアーの実施

火災跡地への植林

これまで国内で実施してきたエコツアーの経験を活かし、インドネシア・カリマンタン島でのツアーを実施します。熱帯雨林をめぐる現状や生物多様性の豊かさを知るには、やはり現地を訪ねるのが一番です。記念植樹やリハビリセンターの訪問、熱帯雨林の散策など、オリジナルプログラムを含めた研修ツアーの実施も可能です。

LOCAL PARTNER

現地パートナー「BOS財団」

現地パートナー「BOS財団」

現地パートナーとしてmore treesと一緒にプロジェクトを進めるBOS財団(Borneo Orangutan Servival Foundation)は、オランウータンの保護を目的に1991年に設立されたインドネシアの非営利組織です。ボルネオオランウータンの保護と彼らの住み処である森林の保全を、地域コミュニティやインドネシア環境省、海外パートナー組織とともに進めています。財団では、オランウータンを森に還すためのリハビリテーションを行う飼育員のほか、霊長類の専門家、獣医、生物多様性・森林リハビリテーション・教育など各分野のエキスパートを有しています。2015年現在、約700頭のオランウータンをリハビリ中です。

PROJECT VIDEO
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インドネシアの貴重な森、オランウータンの命を守るため、みなさまのご支援をお願いいたします。

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FROM SUPPORTERS
松林 尚志 氏 東京農業大学 准教授(野生生物学)

松林 尚志 氏

東京農業大学 教授
(野生動物学)

熱帯雨林の著しく高い多様性は、様々な生き物同士が互いに関わり合うことで生み出されています。しかし現在、乱獲や乱開発によって、多くの生き物が絶滅の危機にあり、熱帯林に生息する哺乳類の約4割が絶滅に瀕していると言われています。 カリマンタン(ボルネオ)島も例外ではありません。カリマンタン(ボルネオ)島の木材資源やアブラヤシ・プランテーションの開発には、日本も深く関わっています。オランウータンやマレーグマなどの野生動物とその生息地を保全しながら、資源を利用するにはどうしたら良いのか。現地の状況を知り、何をすべきかを考え、一緒に行動しませんか。

FROM MORE TREES

人類は森とともにありました。森が崩壊したところでは文明が滅んできました。今、世界中で森林が崩壊しているとすれば、それは人類文明全体の滅びの予兆と言えるのではないでしょうか。インドネシア語で「森の人」を意味するオランウータンも、まさに森とともに生きています。
しかし、熱帯雨林の減少によって彼らの存在がいま脅かされています。たくさんCO2を固着し、また水を保ち、多くの生命を養い、はたまた海まで育ててくれる森林を、ぜひ健康に保つために努力しましょう。
more trees!!
坂本 龍一

坂本龍一
moreTrees

一般社団法人more trees(モア・トゥリーズ)は、音楽家の坂本龍一が中心となり細野晴臣、高橋幸宏、中沢新一、桑原茂一の5名の発起人および各界から100名以上の賛同人を得て、2007年7月に設立された森林保全団体です。国内外での森づくりによるカーボンオフセットのほか、保水力や生物多様性など森の持つ機能の回復を目指しています。

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